atopic dermatitis 患者に学んだ成人型アトピー治療 佐藤健二著

本書は主として入院による脱ステロイド・脱保湿療法について述べたものである。
具体的な治療法の紹介のほか、患者のメンタルに寄り添った記述のある本。

ステロイドを使いたくないと言っている患者の行動を「ステロイド忌避(きらいさけること)」という言葉で皮膚科医などが表現していることについて一言述べたい。
私の所で脱ステロイド・脱保湿を行って1、2ヵ月経過した患者が「すべての外用を中止すれば1ヵ月ちょっとでこんなに痒みが減り、皮膚がよくなってしまった。私はこの10年間、一体何のために皮膚科に通い、ステロイドを外用してきたのかとつくづく思う。皮膚科へ行けば「きちんとステロイドを塗ってないのと違うか」「もっと真面目に治療せなあかん」などと怒られっぱなしだった。
きちんと塗ってもいたし、言われた通りに保湿もしてきました。医師は私の言うことを信じてくれませんでした。だから、ときには民間療法にも高いお金を使っていました」と言う。そして、「腹は立つけど、医師に直接文句は言いにくいです」と言って自分を慰めている。
愚み嫌われているのはステロイドであろうか、それとも患者の訴えを聞くことができず皮疹の変化を認識できないステロイド一点張りの医師なのであろうか。ステロイドの新しい副作用を認識できず、またその副作用の治療を知らない皮膚科医は、ステロイド外用剤を上手に使用する専門医とは決して言えない。(裏表紙記載)

商品名atopic dermatitis 患者に学んだ成人型アトピー治療 佐藤健二著
メーカーつげ書房新書

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